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第5回 日本口腔育成学会年次大会 2015

開催日:2015年12月13日(日)

会 場:フクラシア東京ステーション5F

開催プログラム

講    演:

  • 口呼吸の弊害と病巣疾患について
    <講師:今井 一彰 先生 みらいクリニック(福岡市・内科医)>
  • 日本の乳幼児育成の現状と未来。このような時代に歯科として何をすべきか
    <講師:朝田 芳信 先生 鶴見大学歯学部附属病院 病院長>
  • 0歳からの気づき ~臨床現場での乳幼児の現状~
    <講師:益子 正範 先生 医療法人ひかり歯科医院 院長>
  • 今だから言える「乳幼児の口腔育成でうまく行かなかった事、そして改善した事」
    <講師:乳幼児の育成に関わっている歯科医院 4選>

シンポジウム:

  • なぜ?からはじまる乳幼児の口腔育成Q&A (ディスカッション)
    <シンポジスト:益子 正範 先生 ・ 今井 一彰 先生 発表歯科医院 / プランナー:槇 宏太郎 先生>
  • 明日からはじめる口腔育成(まとめ)
    <槇 宏太郎 先生 昭和大学歯学部附属病院 病院長>
今井先生 益子先生 槇先生 石井先生

●講演詳細

口呼吸の弊害と病巣疾患について

<今井 一彰 先生 みらいクリニック(福岡市・内科医)>

口呼吸は人体にとって有害であるということが少しずつ広まってきました。人体の呼吸には、二種類あり、細胞内呼吸と細胞外呼吸に分けられます。鼻呼吸や口呼吸は細胞外呼吸で、肺呼吸です。肺呼吸とは、呼気吸気ともに鼻から行われるべきものですが、それを口で慢性的に代償して行う状態を口呼吸と定義してみます。習慣性開口状態による口腔粘膜乾燥、いわゆる「お口ポカン」も口呼吸の一形態と考えると、その“患者予備軍”は相当数に上ります。そして、これらの弊害は、現状ではまだまだ理解さていません。歯牙や顔面の形態異常のみならず様々な歯科的疾患を引き起こします。歯科診療は、口呼吸予防、治療の一つの橋頭堡になると思っています。

日本の乳幼児育成の現状と未来。
このような時代に歯科として何をすべきか

<朝田 芳信 先生  鶴見大学歯学部附属病院 病院長>

欧米では、幼少期から歯科国腔疾患の予防管理のため歯科医療機関を定期的に受診することが一般的ですが、我が国においては、公的医療保険制度が疾病等に対する治療行為の対価であるため、治療型歯科医療機関が大半を占めています。すなわち、我が国では定期管理を実践する予防管理型歯科医療機関は極わずかであり、乳幼児期からの口腔ケアの基準も確立されていない現状があります。
また、乳幼児期は、生涯にわたって健康を維持する力を育む上で、重要な時期であり、正しい知識や価値観を持つ子どもたちを育て、歯科口腔疾患の予防に対する意識の向上を図ることは急務といえます。
そこで、子育て層の保護者のみならず、行政や地域に対して、乳幼児期からの早期定期管理の重要性をアピールするとともに、子どもたちや保護者に対し正しい情報を発信し、社会貢献という観点から広く公益に寄与することが大切です。

0歳からの気づき~臨床現場での乳幼児の現状~

<益子 正範 先生  医療法人ひかり歯科医院 院長>

「赤ちゃん歯科」という取り組みから気づかされることがあります。
歯科というものはライフステージのある一部期間に限定して診療するものとは違い、一生を通して関わりを持つものです。その年齢層は乳幼児期から老齢期まで幅広くなります。なかでも例えば小児歯科のように小さいころから健常児と継続的に関わりをもつということは健康を見守っていく重要な役割を担う拠点になり得るのではないでしょうか。
それが0歳からともなると、患者さんからは「歯がないうちから歯医者さんへ行くの?」と驚かれます。歯がないうちからこそお口の発育にとって大切なことがあり、その時にしかできないことが確かにあるのです。
今回、臨床現場でみられる「気づき」をご紹介し、現状の問題提起とさせていただきたいと思います。

今だから言える乳幼児の口腔育成でうまく行かなかった事、そして 改善した事

<石井 梨彩 歯科衛生士 根本歯科医院(千葉県我孫子市)>

小児のう蝕予防において、患者のリスク因子が多数存在する場合はリスク因子のコントロールを包括的に行うことが難しく、定期管理中に新たにう蝕を発症させてしまう恐れがある。そこで、より確実性のあるう蝕予防を提供するため、アクセルソンの研究で提唱されたう蝕のリスク因子を早期介入により包括的に管理し、12歳の時点でう蝕を1本も発症させないことを保証するカリエスフリープログラムを企画し検討を行った。

<椎名 美佳 管理栄養士 ひかり歯科クリニック(千葉県山武郡横芝光町)>

乳幼児をお持ちの保護者に対し個別栄養相談およびその前後でアンケート調査を行った。結果、「食べるときの姿勢」と「噛めているかの指標」について高い関心を得ることができた。管理栄養士が早期に食生活に介入することで、保護者満足度の向上や口腔育成および食生活習慣形成の支援につながることが示唆された。

<林 佳子 歯科医師・尾形 洋子 歯科衛生士 みわき歯科クリニック(山形県米沢市)>

当院は、平成22年より「みわきっず」として乳幼の早期口腔管理を始め、今年で5年目を迎えました。平成23年9月には現在の設備やMTMを確立し、親子(家族)でメンテナンスに通える歯科医院を目指し取り組んできました。平成27年4月より常勤の歯科医師も加わり、新体制の「みわきっず」で日々診療を行っております。今回は新しく歯科医師がチームに加わったことによる変化や今後の展望についてお話ししたいと思いす。

<佐藤 絢 歯科医師 ASO キッズデンタルパーク(静岡県静岡市)>

乳幼児期からの口腔管理を行い6年が経過しました。当院に来院される患者さんとその保護者の方々は、我が子がより正しく発育することを期待しながら来院しているように感じます。乳幼児期は様々な機能を獲得し得る大切な時期にあたります。 その大切な時期に口腔を通じ、今後おこりえる疾病を予測しリスクを把握します。今の現代、環境やライフスタイルの変化により子どもたちにも様々な見えないリスクが生じてきているように思います。それを今後どのように気付きを与え、提案していくかを症例を通じて当医院がいままで行ってきたこと、これから行うべきことについて考えていきたいと思います。

●シンポジウム

なぜ?からはじまる乳幼児の口腔育成 Q&A

<シンポジスト:益子 正範 先生 今井 一彰 先生 発表歯科医院>
<プランナー:槇 宏太郎 先生>

今回の学術大会のテーマは、「乳幼児からの予防歯科」が文化として日本に定着するよう、歯科界が未だ気付いていない未来を担う子どもたちを健康に導くことの重要性に気付くよう、健康な子どもを育成するためにどんなサポートが必要なのか?広い視点で考え、そのうえで歯科の役割の重要性を認識する必要があります。新しい見地も含め、日頃乳幼児の育成に取り組んでいての悩みや不安を、会場の皆様と共に考え解決していきたいと思います。

明日からはじめる口腔育成(まとめ)

<講師:槇 宏太郎 先生  昭和大学歯学部附属病院 病院長>

食べることは、生きるために必要なことです。健康な生活は、よく噛むことから始まります。噛むことで脳は刺激を受けて、活性化します。噛むことは、発育・運動能力の向上・脳細胞への血流の増加そして、気力・記憶力などに大きく関わってきます。乳幼児期から噛むことの大切さ、顎顔面の成長への影響、そして永久歯へ向けての準備期間としての心構えを、歯科矯正の立場から述べてみたいと思います。

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